金武ばあーちゃんの家(リノベーション)

 約24.6坪 詳しくは平面図参照(プレゼン図)

CONCEPT

 「金武ばあーちゃんの家」は築25年。一番座・二番座等の沖繩古民家間取りの平屋建て、亡くなったおばぁーちゃんの長男である施主が一人で住んでいます。計画前の調査では、シロアリ被害が床だけでなく天井にも影響し、外壁及び屋根の劣化も深刻な状況で建て替えも検討していました。しかし、施主のご両親(おじぃさん)が立てた思い出のある家ということで、できるだけ生活環境を変えず、家の雰囲気を壊したくないという希望から、既存の沖繩古民家の間取りもいかしたリフォーム→リノベーションを進めることになりました。設計条件は、①既存の間取りをいかす。②別棟既存便所、浴室建物(築40年以上)を解体撤去し、母屋に水廻りを集約する。③全室フローリング床にする。④寝室以外の各居室の壁をなくし、親戚が泊まる時だけの部屋がほしい要望を可動間仕切壁で対応。⑤仏壇を幅広く、奥行きを小さくする。以上の条件をもとに、施主の高齢化対応もふまえたバリアフリーにも考慮した計画ですすめました。コンセプトとしては設計条件をふまえて、古民家の間取りを現在に似合った空間計画を心がけ、各室にも空間テーマを持たせ計画をすすめました。プレゼン図の平面図を参考に説明していきますと、仏壇間の部屋1⃣は既存の欄間(シロアリ被害なし)を再利用し、堀天井など先祖、家族が集う場である空間をイメージしました。床之間のある部屋2⃣は家の主の中心となる空間と考え、赤瓦屋根を設けて覆うことで、一つの拠り所(家)として家族を守ることを願い計画し、部屋1⃣、2⃣を家族の空間としました。また、主居住空間であるキッチンとリビングの部屋3⃣は一体的空間とし、水廻り空間は仏壇の部屋2⃣と廊下で分けて縁を切り、北東奥に寝室の部屋4⃣を設けた。このように建築だけではなく、各室空間要素の表現を目指して計画しました。これからは新築以外にも、このようなリノベーションの割合も増えていくと予想されます。この古民家の間取りにみられうように、未来を見据えて、先人の知恵をふまえた建築を想像していきたいと思います。

プレゼンテーション図

金武ばあーちゃんの家 写真

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リノベーション前とリノベーション後の写真を見比べてください。

金武ばあーちゃんの家 CG

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CG(コンピューターグラフィック)の完成予想図と完成写真を見比べてください